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いじめによる児童・生徒の自殺 [教育]

教師のいじめを発端とする中学生の自殺問題が大きな波紋を呼んでいます。
文部科学省も、本格的な調査に乗り出しているようです。

学校におけるいじめの発生件数について、正式な統計は公立学校についてのものしかありません。
最近の傾向としては、発生学校数・発生件数ともに、小中学校では減少の傾向にあるものの、
高等学校においてはやや増加の傾向が見られます。

表:いじめの発生学校数と発生件数の推移(公立学校)

出所:文部科学省「生徒指導上の諸問題の現状について(概要)」(平成18年9月13日公表)

図:いじめの発生学校数の推移(公立学校)

出所:同上

図:いじめの発生件数の推移(公立学校)

出所:同上

発生学校数で見ると、小学校では10校に1校
中学校・高等学校では3校に1校の割合でいじめが発生しているとのことですが、
これはかなり過小評価された数値ではないかというところが実感ではないかと思われます。
表面化していない(届け出られていない)いじめが数多く存在しているようです。

図:いじめの発生率(平成17年度、公立学校)

出所:同上

図:1校あたりいじめの発生件数(平成17年度、公立学校)

出所:同上

なお、今回のいじめ事件で自殺した生徒は中学2年生でしたが、
いじめは中学校に入ると急激に増加することが統計からも確認されています。
この時期は、勉強が急に厳しくなったり、
部活動を通じた生徒間のコミュニケーションが拡大することなど、環境が大きく変わるともあり、
その環境変化についていけない子どもたちがいじめの対象となってしまう可能性が高くなっているようです。

図:学年別いじめの発生件数(平成17年度、公立学校)

出所:同上

1000人あたりのいじめの発生件数は、全国で1.6件ですが、
都道府県別に見ると、全国平均を上回っている15県、
うち愛知県と千葉県は全国平均の2倍以上の発生率となっています。

表:都道府県別いじめの発生件数(平成17年度、公立学校)

出所:同上

一方、文部科学省の同じ調査によると、公立学校における児童・生徒の自殺者数は、
近年緩やかに減少しているものの、平成17年度においても105人存在しており、
自殺者については小学生よりも中学生、中学生よりも高校生の方が多くなっています。

表:公立学校の自殺者数の推移

出所:同上

ちなみに、警察庁生活安全局地域課が公表している
「平成17年中における自殺の概要資料」(平成18年6月)によると、
平成17年(文部省統計は年度であることに注意)の小中高校生の自殺者数は、
小学生7人、中学生66人、高校生215人の合計288人となっています。

表:警察庁発表による小中高校生の自殺者数の推移

出所:警察庁「平成17年中における自殺の概要資料」他各年版

「年(1月~12月)」と「年度(4月~翌年3月)」の違いはありますが、
中学生、高校生について、公立学校の自殺者数が正しいとすると、
私立学校の中学生、高校生の方が公立学校の生徒よりも2~3倍の自殺者数ということになります。
文部科学省「学校基本調査」によると、
平成17年5月1日現在の中学校、高等学校の生徒数のうち、
私立学校在学生は、中学校で6.7%、高等学校で29.6%となっています。
公立学校に比べて私立学校に通う生徒の数がこれだけ少ない中で、
自殺者数だけ飛び抜けて多いということには大きな疑問があります)

参考表:国公立・私立別児童・生徒数(平成17年5月1日現在)

出所:文部科学省「学校基本調査(平成17年度)」

公立学校の自殺の原因別状況からは、かなりショッキングな結果が明らかとなっています。
平成16年度、17年度において、「いじめ」「教師のしっ責」を理由とした自殺者は、
小学校、中学校、高等学校においてもいずれも「ゼロ」であるということです。
自殺の理由として上位に上がっているのは、「厭世」「精神障害」「父母等のしっ責」ですが、
「その他」の中に全体の6割ほどが分類されてしまっているため、
正確な自殺原因の特定がなされていないというのが現状ではないかと思われます。
(「その他」の中には複合的な要因が含まれているのかもしれませんが、
自殺の「きっかけ」「最終的に自殺を後押しした要因」として
しっかりと分類を行う必要があるはずです)。

表:自殺の原因別状況(平成17年度、公立学校)

出所:文部科学省「生徒指導上の諸問題の現状について(概要)」

学校運営者としては、いじめの問題、児童・生徒の自殺の問題は、
口をふさぎたくなる事件であると思われますが、悲惨な事件を繰り返さないためにも、
正確な要因分析と対処方法の確立が重要になっています。


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